第24章 一緒に生きるということ
食事が終わって、俺達はデッキに出た。
「わ~、風が気持ちイイ...」
酔って火照った頬に海風が気持ちよかった。
「雅紀、こっち来て...」
翔に言われて反対のデッキに行こうとした俺の視界に、横浜の夜景が飛び込んできた。
「...すげえ~...」
それは、思わず息を飲む美しさだった。
翔の横に並ぶと、彼はそっと俺の肩を抱いた。
俺は反射的に周りをキョロキョロしてしまう。
すると翔が、
「雅紀...俺は誰に見られても、構いやしないよ...」
...嬉しいけどさ。
こういうのも、やっぱり慣れないから...
そう言えば、いつも人目を気にしてきた。
それが癖になっていて、つい...
「今日くらいは、したいようにしようよ...」
翔......
いつの間に、こんなに男らしくなったんだよ。
小さくて、可愛くて、守ってあげなきゃいけない...
あの幼気な『翔くん』は、もういないんだ...
淋しいんじゃないよ?
くすぐったい、っていうか、なんだか不思議な気持ちだった...
「綺麗だよね~...」
翔の方が綺麗だよ...
そう思いながら、彼が見つめる横浜の夜景を眺めた。
漆黒の海と、真っ直ぐに引かれたラインの上は、宝石箱を散らかしたような色とりどりの灯りがゆらゆら輝いていた。
「...ありがとね、今日は...」
夜景を見ながら、そう呟くと、
「お礼は、ちょっと待って~?えっと...」
...何??どうしてそんなこと...??
すると翔は、ジャケットのポケットから四角い箱を取り出した。
「これ...」
「えっ?何??」
「開けてみて?」
翔に言われ、そっと蓋を開けてみると...
......え...嘘っ!?