• テキストサイズ

Green~君といた季節~【気象系BL】

第24章 一緒に生きるということ


【 雅紀side 】

「お前たちの気持ちは、分かった。」

翔の親父さんは、静かにそう言ってから、俺たちを交互に見た。

「雅紀くん。始めに言っておきたい。

改めて、翔を支えてくれてありがとう。君がいなかったら、今の翔はないかもしれない...


あの事件の後、学校へも行かず、同じような仲間と付き合っていて...その時も翔のことは信じていた...いつか、立ち直ってくれると...

でも、自分たちでは、どうすることもできなかったんだ...

...親としては、失格だった。」

「そんなことは...」

親父さんは一つ、力強く頷いて、話をつづけた。


翔が立ち直る切っ掛けを...身体を張って翔を救い出してくれたこと。

私たちが出来なかったことを、君がしてくれたこと。本当に言葉では言えないくらいに感謝している。」

「おじさん...」

「本当に、ありがとう...」

深々と頭を下げる翔の親父さんに、俺は言葉が出なかった...苦しんでいたんだ...この人も。

翔のこと...実の息子を法廷に立たせて、世間の目に晒してしまったこと...

口にはできないけど、後悔していたのかもしれない。

社会的地位のある立派な医師でも、一人の父親なんだから...


「親父...」

頭を下げたままの親父さんに、翔が声を掛けた。

「俺...何も後悔してないし、誰も恨んでないし、俺の人生、恥じる事なんて、どこにもないって、そう思ってるよ...

だから、そんな顔、しないでよ...」

「...翔...」

見つめ合う親子を、俺はじっと見ていた。

/ 543ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp