第24章 一緒に生きるということ
【 雅紀side 】
「ただいま~」
玄関のドアを開ける翔の後ろから、俺もついていく。
緊張で、上手く歩けない。
何度も来ているはずなのに、今日は何だか別の家みたいだ。
これから裁判でも受ける『罪悪人』の気分。
脚がもつれて靴がうまく脱げない俺の肩に、翔は黙って手を置いた。
肩から伝わる体温が、俺の気持ちを少しだけ落ちつけてくれた。
「お帰りなさい、翔...雅紀くんも。」
「こんにちは!お、お邪魔します!」
翔のお母さんは、笑顔で俺を迎えてくれた。
リビングに通されると、珍しく修がいた。
「修!珍しいな~?」
高校生の修は、ラグビー部に所属していて、練習だと言ってこの頃はほとんど会ってなかった。
「久しぶり...雅紀、くん」
「なんだよ~///よそよそしいじゃん!」
俺は思わず修の頭をワシャワシャした。
「ちょ、止めろよ~!せっかくセットしたのに~//」
「フフフッ...修、お父様を呼んできてちょうだい」
「はい」
...あ、そうだった。こんなことしてる場合じゃなかったんだ。
修が急に他人行儀なこと言うもんだから、ついつい可愛くなっちゃって...
「雅紀、こっち...」
翔に促されて俺たちはソファーに座った。
修はさっと、ダイニングの方に行ってしまった。
......
ヤバい...心臓が...口から出る(-_-;)
今までの人生の中で、今が一番緊張してる。
そんな俺の膝に、翔の温かい手が乗った。
彼の顔を見ると、ゆっくり頷いた。
よし。
覚悟は決まった。翔は俺の味方だ。
こんな力強い味方はいない...
親父さんにぼろくそに言われたら、
...言われたら...
......ショックだから、翔に慰めてもらおう!
そこに、翔のお父さんが入ってきた。