第24章 一緒に生きるということ
【 翔side 】
決めていたんだ。
雅紀を...雅紀とのこと認めてくれないんなら、病院には戻らないと。
だって、誰に何と言われようと、
俺は雅紀がいてくれないとダメなんだから...
もうずっと、ずーっと前から、決めてた。
...っていうか、決まってた。
これだけは、譲れない。
「翔...でも、俺...」
「大丈夫だよ。雅紀は何も心配しなくていいんだ...俺についてきてくれればいい...
隠すことじゃない。家族には、理解してほしい...俺にとって、雅紀が命よりも大切なんだってこと...」
「翔...」
雅紀の瞳が不安そうに揺れる。
俺は雅紀の両手を取って、強く握った。
そして、今日を迎えた。
『大丈夫だよ』そう雅紀には何度も言ったけど、
正直のところ、両親がどう思ってるのかなんて、全くわからなかった。
幼い頃から雅紀を見てきて、彼がどんな人間かなんて、理解しているはずだ。
そして、分かってるからこそ、彼を評価してくれている。
その人となりも、
看護師としての技量も。
「そろそろ、病院の方に戻ってきてくれないか?」
先日実家に戻った時に、親父にそう言われた。
早いな...
とは思ったけど、元々そのつもりだったし、何時なら丁度切りがいい、なんて時はないのだから。
だったら...
その時、実家の病院に帰る条件として、雅紀を一緒に連れていきたいと言った。
俺の側で勤務して貰いたいと思ってると。
二つ返事だった親父に、
「そのことで、改めて親父と母さんに話しておきたいことがあるんだ。」
そうはっきり言った。
その話したい内容を、両親がどう考えているのかは、分からない。
「分かった」
親父はそうひとこと言っただけだった。