第24章 一緒に生きるということ
【 雅紀side 】
今の大学病院での仕事にも慣れ、後輩の看護師も大勢入り、俺は気が付いたら中堅どころを担う位置にいた。
そんな時、翔から実家の病院を手伝ってくれないかと話があった。
いずれは俺を実家の病院へと。
それは始めから決まっていたことでもあるのだけど。
「どうかな?」
翔にそう言われ、俺は正直、嬉しかった。
翔が病院を継ぐとこは揺るがない決定事項な訳で、そこに俺も連れて行ってくれるということは、つまりは、俺が、ずっと翔の側にいることを許される、と言うことでもある訳で...
「いいよ。明日からって訳にはいかないけど、師長に話してみるよ...」
「ありがとう、俺も一緒に移るよ。雅紀がまだっていうなら、俺も延ばそうと思っていたけど...」
「嬉しいよ...翔と、もっと近くで働けるんでしょ?」
「近くなんてもんじゃないよ...いろんな面で、俺の力になって欲しい...経営とかも...」
「け、経営~?それはちょっと..」
「それでさ。両親に話したいんだ...雅紀のとこ...」
「えっ?」
俺のこと、って...
「俺の大切な人として、改めて雅紀のこと、家族に紹介したいんだ」
「嘘っ...」
驚いた。翔がそんなこと考えていたなんて...
だってさ。
大切な人として紹介するって...
まるで、け、結婚相手みたいじゃん...
「雅紀と一緒に生きていきたいって、そうはっきり言いたいんだ。」
「...翔...」
「雅紀。...ここに来て」
リビングに向かい合って座っていた俺を、隣に来いと、翔が言った。
動けずにいる俺に、
「じゃあ、俺が行くよ...」
翔が立ち上がって俺の側まで来て、隣に腰を下ろした。