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Green~君といた季節~【気象系BL】

第23章 命の重さ~second~



お昼の休憩時間。

俺は田村さんの手紙を持って屋上に来ていた。

田村さんの急変を心配してLINEをくれた雅紀に、助けることができなかったことと、お昼は一人でとることを伝えた。

雅紀はからは『わかったよ』とだけ、返信があった。


恐る恐る開いたその中には、綺麗な文字が並んでいた。



『この手紙が、翔先生に渡ったということは、
私はもうあの世に旅立ったのでしょうね
潔い最期だったでしょうか
未練がましく、命乞いなど
しなかったでしょうか

病気のせいでどんどん身体が
動かなくなっていったとき、
正直、生きることを諦めていました

もう十分生きたし、
思い残すこともないと、
そう思ってました

でも、翔先生が、
太郎を連れてきてくれて
もう会うこともないだろうと
諦めていたのに

また会うことができた
この手に太郎を抱くことができた
夢のようでした


どういうことか、
私の子どもたちは子宝に恵まれず、
私は孫をこの手に抱くことは
できませんでした

だから、太郎は私の子どもであり、
孫であり、伴侶でした

太郎にまた会うことができ、欲が出ました
もう当に観念していた命に、
縋り付きたくなりました

もう一度太郎と暮らしたい

そんな夢を見ました

それは叶わなかったけれど、
そんな夢を見たことで、
私はまた生きる力を思い出しました

先生のお蔭です
本当にどんな言葉で伝えたらいいのか
分からないくらいに、感謝しています

先生に出会えて、
私は幸せな最期を迎えることができた

これからも、私のような患者に、
希望を与え続ける翔先生でいてください


ありがとう

さようなら



そうだ!
相葉さんにもよろしくお伝えください
ありがとうと

そして、お幸せに

    田村慶介   』




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