第23章 命の重さ~second~
今日はいつもよりも早めに家に帰ることができた。たまには雅紀とゆっくりしたいし...
病院を出る前に雅紀にLINEしたから、
玄関の鍵を開けていると中から雅紀が出迎えてくれた。
「おかえり~、翔!今夜はお好み焼きにしたんだよ!」
花のような笑顔で迎えてくれる彼に、
緊張していた身体が解けていくような気がする。
「マジで~?俺、今日お好み焼きの気分だったんだよ~!!」
そんな俺に雅紀は、
「だと思った♪生地混ぜるから、お風呂入ってきていいよ!」
可愛い奥さんの提案に、
「じゃあ、お言葉に甘えて...」
「いってらっしゃ~い」
「あ、待って...」
俺はキッチンに戻ろうとする雅紀の手を掴んだ。
んんっ?
って目を見開いた雅紀を引き寄せ、大袈裟な音を立てて唇を奪った俺は、
ほんの少しだけ重ね合わせてからすぐに離れた。
「ただいま...雅紀」
「おかえり...翔」
お約束の挨拶だ。
俺たちは微笑みあってそれぞれの場所に散っていく。
いつまで。
こんな風にしていられるのかな?
新婚の間だけだよ...
まあ、そう言うなら、俺たちは新婚な訳でもない。
世間一般で、新婚だと言われること愚か、思われることもないのかもしれない。
それでも、俺たちは一緒に居たいんだ。
離れることはもう、考えられない。
いつまでとか、そんなの考えたこともない。
話したこともないけど、
俺は、命が潰えるまで、共に生きていくつもりでいる。
雅紀はどう思っているのか...?
まあ、雅紀が嫌だと言っても、
俺は離れてやる気はないけどね?
何があっても...
こうして、お帰りにはキスを...