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Green~君といた季節~【気象系BL】

第23章 命の重さ~second~



病院に行くと、始めに病棟に顔を出すのが日課だ。
丁度朝食を食べ終えたところだ。

「あ!翔先生~この前の漫画は~?」
「あ~///忘れちゃった~...ごめんね~今度は必ず持ってくるから...」
「昨日もそう言ったよ!」

ふくれているのは小学校5年生になる浩太くんだ。
先天性の心疾患で、入退院を繰り返している。
元気になったら、サッカーをやりたいんだって。
病院生活が長いので、すっかり自分の家のように振る舞っている。

でもきっと、本当は辛いし、不安なんだと思う。

俺も出来るだけ、友達みたいに接している。


次に覗いた病室には、鼻の頭に眼鏡を乗せて新聞を読む田村さん。

「田村さ~ん、朝ごはんちゃんと残さず食べましたか~?」
「あ、翔先生。今日は頑張りましたよ!先生に叱られちゃうからね~...」
「だって、しっかり食べて体重もう少し増やして。
体力付けないと、手術できないでしょ?」
「はいはい...先生は、若いのに厳しいから...
みんな言っとるよ~」

「えっ?ほ、ほんとですか~?」
「嘘です、う~そ!」
「もう~///田村さ~ん(^^;」

田村さんは心臓に腫瘍があり、手術をすべきなんだけど、大手術に耐えうる体力に不安があって。
踏み切れないでいる。

麻酔科や外科のドクターともカンファレンスを重ねているところだ。

まだ75歳。
手術を受けて、また健康な身体を取り戻して、第2の人生、楽しんでもらいたい...
そう思っているんだけど。


いつものように、田村さんのカルテに目を通していると、彼は申し訳なさそうに俺に話しかけて来た。




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