第4章 もがき苦しむ中で
剛「何だよ~、健、こいつ、何者~?」
健「剛さん!知らないのぉ~?
翔くんはぁ~櫻井総合病院の
お坊ちゃまなの~♪
なっ!そうだよな?
だから、俺たちとなんか、サッカー出来ないってぇ~」
剛「へえ~...そっちも、生田大先生の
お坊ちゃまくん...だよな??」
斗真が剛と呼ばれた人を睨んでいる。
剛「何だよ~?文句あるのか??」
剛が斗真の胸倉をつかんだその時、
先生「おい!!そこ~何してるんだ~///」
健・剛「やべぇ、逃げろ!」
ふたりは慌てて行ってしまった。
そこに先生が小走りに近づいてきた。
先生「大丈夫だったか~?
上級生に睨まれたら、後大変だぞ~」
斗真「でも、俺たちは何も...
あっちが勝手に...」
城島「まあさ、お前たちは目立つから...
気を付けるのに、越したことはないよ♪
俺は城島って言うんだ。3年生の副担で、
映画同好会の顧問もやってるんだ...
良かったら、イケメン二人を、
映画同好会に、スカウトしよっかな~♪」
斗真「映画かぁ~...翔、見に行く?」
翔「バスケは?」
斗真「映画、興味あるんだよね~俺...
行こうよ、映画同好会の見学!」
翔「...うん...いいけど...」
城島「おっと~...思いがけず、
大物が勧誘できたわぁ~お手柄やん!
よし、そうと決まれば、
今から行ってみようか?」
こうして、俺は、雅紀くんとバッタリ...
という偶然もない、映画同好会に、
見学に行き...
なんと、そのまま、入部することになってしまった。
見学だけなら...と思っていたのに。
でも、
...なんだか、ちょっと楽しそうかも...
灰色だった俺の中学校生活に、
ほんの僅か見えた、光だった。