第22章 命の重さ
【 翔side 】
更衣室から出たところで、坂本先生とバッタリ会った。
「櫻井、今から飯でも行くか?」
先生に言われたけど、今夜はもう帰るって連絡しちゃってたし。
....何より、早く雅紀に会いたかった。
「すみません。今日はちょっと。」
そう断ると、先生は、
「彼女か?」
真っ直ぐに聞いてくる先生に、
俺もそのまま、隠さずに答えた。
「はい、そうです」
まあ、彼女っていう訳じゃないけど、説明するのも面倒なので、彼女ということにした。
...雅紀...ごめんよ
「そうか、そんな人がいるんだな...ナースたちががっかりするぞ、きっと」
「そんなことないですよ〜」
坂本先生と別れて、携帯を確認した。
「えっ?智とかずが〜?」
急にふたりが家に来るって知って、
俺は慌てた。
雅紀からLINEが入ったのが、6:50で、
今が8:15....ヤバい。
待たせちゃってるかな?
廊下を走りながら雅紀に電話を掛けた。
↑廊下を走っちゃダメですよ〜
『翔?終わったの〜?』
「うん、ごめん連絡しなくて。二人...いるの〜?」
『待ってるから、気を付けて帰ってきてね!』
マジか////
「先食べてていいからね!」
俺はそのままタクシー乗り場に急いだ。
今日は特別だ!
タクシーの運転手に自宅を告げた。
今週末飲みに行こうかと話していたところに、急遽二人の訪問。
スーパーでばったり智と会ったらしく。
仕切らない二人が、よくここまでまとめたなぁ、と感心する。
3人は待ってるだろうな、と思うと気持ちが逸る。
今夜は雅紀とふたりでゆっくり過ごそうかな、と思ってたけど。
でも、智とかずと会えるのは、ホントに嬉しかった。