第22章 命の重さ
【 雅紀side 】
夜勤明けだった俺は、昼頃起き出して洗濯と掃除をした。
それから夕飯の買い物に出掛けた。
食材を選びながら、何だかまるっきり主婦みたいだな、と可笑しくなった。
今夜は...ビーフカレーにしよう!
そう決めてカゴに材料を入れていく。
サラダは少し奮発して、カルパッチョにしよ❤翔が好きなホタテと甘エビ。
ワインコーナーでワインを見てると、
「雅紀?」
声のした方を見ると、
「智!久しぶり〜!」
珍しい場所で再会した智は、やっぱり夕飯の買い出しに来てたみたいで。
「今日何やるの〜?」
とカゴの中を覗き込むと、挽き肉や玉ねぎが入っていた。
「ハンバーグ、作ろうかと思って...」
ふにゃんと笑う智に、素朴な疑問を投げ掛けてみた。
「あのさ、ひとり分?」
「あっ...えっと.....」
しばらく考えてたみたいだけど、思いきったように俺を真っ直ぐに見て、
「俺今、かずと一緒に暮らしてんだ」
って。
何?智の言葉を把握するのに、
5秒程かかった俺は、
「それって..?」
見つめた智は、柄にもなく赤くなっていて、もうそれ以上は余計な詮索なんだと分かった。
「あ、そうなんだ..へぇ〜..かずと...あ、そう言うことなんだ...」
自分の中で噛み砕く意味でモゴモゴ言ってたら、智が、
「腐れ縁みたいなもんだよね...気がついたら一緒にいるのが当たり前になってて、何だか一緒に暮らすようになってたんだ...」
「そっか。おめでとう♪」
何がおめでとうなのか、訳分かんない、
と思いながら、俺は智の肩を、
ポンポンと何度も叩いていた。
「そうだ!良かったら、一緒に夕飯食べようよ!今から作ればいいじゃん!」
智は、キョトンとしていた。