第4章 もがき苦しむ中で
入学して直ぐにテストがあった。
三教科だけの簡単なものだったが、
その結果は当たり前のように
廊下に張り出されていた。
特に興味もないから、
掲示板から離れた場所で見ていた。
すると、斗真が俺に気付いて走ってきた。
斗真「翔~!すげぇじゃん、やっぱ、トップ!」
翔「そう...」
斗真「何だよ~...当たり前って顔だな」
翔「別に...そんなことないけど...」
斗真「やっぱ、カッケ~よな~翔...
あっ、トップと2番の初対面?かな~」
斗真が、2番と言ったやつが俺の顔を見た。
斗真「こいつ、滝沢秀明...
俺と同じ小学校だったんだ...」
秀明「君が櫻井?やっぱりかなわないね~」
翔「......」
斗真が紹介してくれたそいつは、
俺より背が高くて、アイドルみたいに、
綺麗な顔したやつだった。
秀明「塾でさ、模試の結果見るたびに、
櫻井翔って、どんな奴なんだろうね~
って、斗真と話してたんだよ...なっ」
斗真「それが、こんな可愛い僕なんてね~♪」
僕と言われ、俺が睨むと、
斗真は笑いながら、
斗真「ごめんごめん..言い方違ったね~
もっとさ、すげ~勉強だけしてました、って、
そんな奴だと思ってたから...」
秀明「まあさ、斗真だって10番には入ってるし、
これからも、お互い仲良く適当に、
頑張りましょう...って感じかな(^^♪」
アイドルみたいな顔した秀明と、
ちょっと面倒くさい斗真と。
中学に入って友達になったやつは、
俺と一緒で、やっぱりどこか、
捻くれてるっていうか、
そんな匂いがした。