第22章 命の重さ
食卓には、ご馳走が並んでいた。
唐揚げにグラタン、エビフライに、そして、
特上寿司...
「父さん!兄さん!早く早く~!!」
「お~!!すげぇ~...ご馳走じゃん!雅紀にも...」
言いかけて止めた。そしたら、母さんが、
「雅紀くん、夜勤で来れなくて残念だったね~今度は二人で来てね」
って言った。嬉しかった。
雅紀のことも家族のように思っていてくれること。
「喜ぶよ、雅紀...」
「でも、あちらのお母様はお料理、プロだもんね~...お母さんの唐揚げなんか、恥ずかしいわね...」
そう首を傾げる母さん。
「そんなことはないよ...料理は愛情だから!母さんのも、愛情は負けてないだろう~?」
親父はフォローしたつもりなのかな?
「あら、なんか、褒められたのか、慰められたのか、よく解んないんだけど...」
大袈裟にがっかりして見せる母親に、家族が笑った。
...両親がいて、修がいて、俺がいる。
そんな当たり前の風景が、幸せで、嬉しかった。
後はここに、雅紀がいたらな...
本当にそう思った。
いつか。
近いうちに雅紀のことも、家族に話したいって思う。
大切な人だって。
誰よりも大切で、一生失いたくない人だ、って。
そう言いたい。
......雅紀と俺の関係。
親父たちはどう思うだろう?
修は??
今まで、彼女はいるのか?
とも聞かれたことないけど...
俺のそういう部分は、興味ないのかな?
親父とビールを飲んで、たくさん食べた。
これだけ用意してくれるには、時間かかっただろうに...
俺は、俺たちの話を聞いて、にこにこしている母親の顔を、そっと見つめた。
...ちょっと、老けたかな?って思った。