第22章 命の重さ
修も同じことを思ったのか、
ちょっと笑った。
そりゃあ、そうだよな...
赤ん坊だった修が、もう直ぐ中学生になるんだ。
俺の後ばっかりついて歩いていた、
あの小さかった修は、もういないんだな...
「そう言えば、雅紀..くんは?」
「ふっ、くんづけ...雅紀に聞かせてやりたいよ~」
俺が少しお道化て言うと、修は唇を少し尖らせて、
「だって、先輩だし...呼び捨てって訳にもいかないじゃん...」
そんな顔すると、小さい頃のまんまだな...
「雅紀は、呼び捨てにされてた方が、きっと喜ぶと思うよ~」
「そうかな~?でも...」
修は首を傾げて考えている。
「大人になったな~...そういうとこ...」
思わず呟くと、
「俺のこと、相変わらずだって思ってるんでしょ?」
って...
...そんなことないよ。
修は大きくなった。
俺の同じころよりも、ずっとしっかりしてるよ。
「たまには雅紀...くんにも会いたいな...」
修がボソリと言った。
「そうだよな~...修、雅紀のこと、大好きだったもんな~...『ましゃき、ましゃき』ってさ」
「もう~...言わないでよ~...」
俺たちが笑いあっていると、そこに親父が帰ってきた。
「翔...帰ってたのか?」
「父さん、ただいま...」
「うん...どうだった?初日は...」
「あ、うん...」
俺が話そうとすると、
「少し書斎に来なさい...」
と親父は言った。
...なんだろう?ちょっと身構えてしまう...