第21章 旅立ち 〜departure〜
【 雅紀side 】
しばし啄むようなキスを楽しんで、
俺から離れた。
....これ以上してるとさ、
ほら、いろいろ不都合が生じるじゃん?
翔は、そんな俺ににっこり笑顔だけを残して、
部屋に入っていった。
「雅紀~...夕飯7時からでしょ?まだ時間あるから大浴場に行ってみようよ!」
そう言いながら翔はさっさと浴衣に着替え始めた。
...今更だけどさ...
綺麗な背中のラインに見惚れる...
鍛え上げられた背筋がカッコ良過ぎる..(≧▽≦)
それに、何とも言えない色香が...
そこはかとなく、こう...
腰ひもを結びながら振り返った翔は、
「何してんの?早く着替えて...」って。
「あ、う..うん..待ってて」
.....大浴場に、変な奴、いないだろうな~(-.-)
変態に、翔のこと見せたくないよ、俺...
↑あなたも十分に...
お揃いの浴衣に着替えて、
このホテル自慢の大浴場にやってきた。
「すごいね~..前にさ、行ったじゃん、雅紀と。
スーパー銭湯?あれみたいだね!
黄金風呂だって!!金運アップってさ...そのまんまじゃん...ハハハッ...」
...ワクワクしてるのは、前途有望なお医者さんだよね?...親と旅行に来てる小学生の僕ちゃんじゃないよね??
っていっていうくらいに、翔は変なテンションで、
むちゃくちゃ可愛かった。
俺は、そんな翔を見るのが嬉しくて、
幸せだった。
洗い場に行く翔の後を付いていく。
すると...
身体を洗っていたガチムチ系のお兄さんが、
翔に気付きずっと目で追っている。
上から下まで、舐めるように見ながら。
ヤバい!!
俺は慌ててその視線を遮るように立ちはだかった。