第21章 旅立ち 〜departure〜
【 翔side 】
俺が綿密に立てた予定は、雅紀の希望で、
大分変って来たけど...
雅紀の嬉しそうな顔を見ていたら、
全然気にもならなくなり...
いや寧ろ、それでよかった...と思うほどで。
雅紀のペースで、それを心地よいと思っている自分が、何だか不思議でもあり、愛しくもあり....
という感じかなぁ...
車は再び陸地を踏んだ。
朝から降っていた雨もこの頃には止んでいた。
「ホテル行く前に、寄り道してこうぜ♪」
そう言って俺が雅紀を連れていったのは、
不思議な景色の海岸...
海の中から電柱が出ていて、綺麗に連なっている。
「...すごい~..」
雅紀は、それしか言葉が出ない。
神秘的とも少し違うし、
幻想的っていう方があってるかな~?
「ここ、来たかったんだ~...
ボリビアのウユニ塩湖、って言われてるらしい。
だ~いぶ違うけどね~...」
「ああ...翔の持ってる世界遺産の本で見たことあるよ」
そう...この世のものとは思えない景色、
天と地との境目があやふやで、
まるで、夢のような絶景。
「いつかさ、本物、見に行こうよ!二人で」
「二人で??行きたい!!」
キラキラした目で、雅紀がそう言った。
ホントに。
色んな景色を二人で見たい。
雅紀と一緒に...
そっと盗み見た雅紀の横顔は、
子どもみたいいにキラキラ輝いていて...
そんな顔を見てるだけで、
俺は幸せな気持ちになれたんだ。
「さて。雅紀、行こっか?もしかしたら夕陽もホテルから見えるかもしれないしね~」
...二人で眺める、海に沈む夕日...
......いいじゃん❤