第21章 旅立ち 〜departure〜
平日の首都高速は、大型車も多く
思ったよりは混んでいる。
雨のせいで、普段は絶対キラキラしているはずの海も、どんよりして視界が悪く、
それだけで俺は口を尖らす。
そんな俺のことを、翔はクスクス笑ってる。
車は彼が立てたスケジュール通りに、
海ほたるの駐車場に到着した。
ここでお昼の予定だ。
「...5分押しだね...」
腕時計を見ながらそう呟く翔の腕を取って、その時計を隠した。
「雅紀...?」
「翔!今日は、時間に縛られないで行こうよ...たまにはそういう時間の使い方もいいんじゃない?」
俺がそういうと、翔はしばらく試案顔で眉をひそめていたけど、ふわっと笑って、
「そうだね...そういうのも、いいね...」
と言った。
「でも、あさりまんとイワシの唐揚げはマストな?」
ってウインクした。
......ほんとに可愛い///
こんなとこ。
っま、どんなとこも可愛いんだけどね(^^♪
俺たちは仲良く、翔のいう海ほたるの名物を食べたり、雨に煙る海を仲良く眺めたり、
俺のどうしてもの希望で、ゲーセンにも行って、UFOキャッチャーをしたり...
翔が可愛いっていって食いついたクジラのでっかいぬいぐるみ...
どうしても取ってやりたくて、800円を投資して、ゲットすることができ。
「はい、翔に...」って渡すと、
「やった!!マジで嬉しい...今夜からこれを抱いて寝るよ!!」
って......
「え~///」って素直な感想が出ると、
「うっそぉ~♪...雅紀のとこ、抱いて寝る❤」
と耳元で言った。
......言うまでもなく、俺はゆでたての蛸のようになった。