第21章 旅立ち 〜departure〜
「行くよ!そのホテル行ってみたかったんだよ~♪」
「ホントに?じゃあ、決まりね!
丁度、翔ちゃんの卒業祝いを兼ねて、俺からプレゼントね♪」
......プレゼントって...福引の景品じゃん(^^;
まあ、何でもいいや...
雅紀と温泉...
二人でホテル...
......ヤバい...すげ~楽しみだ( *´艸`)
その日、仕事終わり。
俺は外科で一緒だったナースの娘に告られた。
『ずっと好きだったから、勤務変わっても付き合って欲しい』って。
ずっと、っていってもたかが数ヵ月だし。
そんな素振り見せなかったのに。
....正直そんな感想で。
もちろん、断った。
思わせ振りにしないで、
『恋人いるから』としっかり言った。
家に帰って、まあ、報告の義務もないけど、一応雅紀に話すと、
「またあ〜?このところ多いよね?
3人目じゃない??」
「いや、4人目、かなぁ〜?何でだろう...急にモテ期、来たのかなぁ?」
そういう俺に、雅紀が言うには、
みんな、この時期焦ってるんだって。
今のうちに、ドクター捕まえとこうって、
結構必死になってるナースもいて...
「翔はインターンの中では、断トツでカッコ良かったからさ、噂、俺のいる病棟まで届いてきたもん...」
「ふ〜ん...そうなんだねぇ...」
謎が溶けて、納得してる俺に、
「翔は目立つんだから、気を付けてもらわなくっちゃさ、困るんだよね〜...」
「大丈夫だよぉ...俺には雅紀がいるし。
雅紀しか目に入んないからさ♪」
当たり前のこと、普通に言ったのに、
雅紀は真っ赤になった。
「...ほら。そういうところ、好きなんだ〜」
「....もう...翔、俺のこと揶揄ってるでしょ?」
雅紀はまた、可愛い顔して膨れた。