第20章 卒業~Graduation~
【翔side】
翌日、雅紀と一緒に朝食を食べた。
今日は俺が当番だから、少し早起きして作った。
トーストとハムエッグ←少し焦げた...
「あ、これ美味しいね~♪」
「普通に焼いただけだし...」
「コーンスープうまっ!」
「粉末だからね...」
...雅紀は、俺の機嫌を取ろうと、いつも以上に持ち上げてくれてる...
なんでだろ?
素直になれなくて...俺は少し膨れたままだ。
そもそも、俺が機嫌を悪くするのはお門違いだ。
だって、いけないのは俺の方で。
雅紀は何一つ悪くない...
分かってるのに...
なのにさ。
なんでかな~...素直になれない。
ダメな俺に、雅紀が優しすぎるから...
食事が終わって、俺が片付け終わるのを見計らって、ソファーから雅紀が呼んだ。
「翔~...ちょっと来てみてよ!」
「......何~?」
「ほら、これ見て?」
雅紀のスマホの画面には、智とかずの写真。
しかもかずの頬に智がチュウしてるやつ。
「こんなのどうしたの?」
「この間3人でご飯行ったとき、『ツーショット撮るよ!』って言ったら、とる瞬間に智が仕掛けたんだ...翔に見せてなかったよね~♪」
「見てない!よくかずが撮らせたね~...」
「いや、この後めっちゃ、怒ってたよ~かず...
写メも消してくれって!大騒ぎ...」
「だろうね~...」
「なんか、可愛いよね...この二人...
まさか、ここがくっつくなんて意外だよ~..ね?」
......雅紀...
彼の笑顔が、俺の心に刺さって...
「雅紀...ごめんね...」
俺は、言えなかった言葉を、漸く口にできた。