第20章 卒業~Graduation~
俯く俺をそっと抱き寄せてくれた雅紀。
きっと俺からの言葉を待ってるんだ。
「雅紀...実はさ...」
俺は、夕べあったことを話した。
勿論、その時の自分の感情が揺れ動いたことも。
遠藤のことが好きなんじゃない。
なのに、少しでも揺らいだ自分が許せないんだ。
俺の話を聞き終わった雅紀は、
「なんだ...そんなことか...」
そう安堵のため息を漏らした。
「そんなことって///」
「よかったぁ〜!俺は、翔が浮気でもしちゃったのかと思ったよ...」
「そんなこと...ある訳ないじゃん...」
雅紀は俺の頬に手を当てて、
「...翔、女の子と、シたい?」
って...真っ直ぐストレートにそう聞かれて、俺は正直どぎまぎした。
シたいか、シたくないかで言ったら...
興味は、ある。
...でも。
黙っている俺に、雅紀は優しく笑って、
「俺は、シてみたい、とは思う...でも、しない!...この先どんなスーパーチャンスが巡ってきても、絶対にシない、ってそう断言できるよ!」
「...スーパーチャンスって...」
「だってさ。俺が嫌だから...翔が他の...女の子だけじゃなくって男ももちろん...俺以外に、翔のこと触れさせたくないんだ!見せたくない...翔は、どう?」
「俺だってヤダよ!」
「でしょ?俺が嫌だと思うことは、翔にもしたくない訳!だから、金輪際、翔以外の人と、セックスすることは、ない!」
...言い切った雅紀の目は、すごく綺麗で、曇りも迷いもなくて。
そんな雅紀の目を見ながら、真っ直ぐに愛してくれる強い決心聞いた俺は、
気が付いたら、泣いてた。
雅紀は、その涙を唇で拭ってくれた。
......生涯...
愛する人は、雅紀だけだよ...
ずっと...ずっと...
変わらないから...
何があっても、雅紀が最初で最後の人だから...