第20章 卒業~Graduation~
【 雅紀side 】
謝恩会の後、カラオケに行って、
それぞれの世界に旅立っていく仲間と、エールの交換をして、マンションに帰り着いたときは、深夜の1時を過ぎていた。
寝室を除くと、寝ている感じだったので、
そのままドアを閉めた。
もちろん、こんな時間だからさ、
起きて待ってろなんて言うつもりはないけどね...
今日はいつもとは違う特別な日だから、
もしかしたら起きて待っててくれるんじゃないかな?
って...
『おめでとう』って言ってくれるんじゃないか?
って、ちょっと期待してたんだけど。
まあ、仕方ない。
俺はそのままシャワーをして、
しばらくリビングでテレビとか観て、
翔の隣に潜り込んだのは2時になっていた。
......反対側を向いて寝ていて、
淋しい...
顔が見たいな...
そう思ってしばらく見つめていたけど...
寝返りしないかな~?って。
そう思って。
でもさ。
......翔...もしかして...
「翔...起きてる...よね?」
そっと声を掛けると、身体が微かに緊張した。
「翔...こっち向いて...」
でも、翔は背中を向けたまま動かない。
仕方ないから、背中からぎゅっと抱き締めた。
「......まさき..」
小さく俺の名前を呼ぶ君の肩を、引き寄せて顔を覗き込んだ。暗くてよく見えないけど、何となく、怯えてる?
「翔!どうしたの?」
俺は枕もとのリモコンで、ライトを付けた。