第20章 卒業~Graduation~
【雅紀side】
無事に卒業式も終わって、親も喜んでくれた。
母ちゃんなんか、泣いてたし...
いろいろな面で苦労を掛けたりした分、これからはちゃんと親孝行していこうって思う。
毎日立ちっぱなしで仕事して、俺と弟を育ててくれた。
怒られたこともあるけど、いつも俺の味方だった両親。
『雅紀がやりたいことを、やりたいようにやればいい』って、そういって応援してくれた。
看護師になってお金貯めたら、温泉旅行とかプレゼントできたらいいな...ってそう思う。
...ありがとう、父ちゃん、母ちゃん...
...でも。
俺と翔のことを知ったら、どう思うかな~?
今は、普通に友達同士だって、そう思ってるはず。
それが、生涯一緒に居たいって。
添い遂げたい人なんだって知ったら、
どう思うだろう?
...やっぱりそれを知っても、応援してくれる?
翔といることは、親を裏切ることになるのかな~?
たとえそうでも。
俺は翔と生きていきたいんだよ。
いつか、それを話して認めてもらいたいって、そう思うけど。
世の中はまだまだ、そういうことに偏見があって、俺の親だってきっと例外じゃないだろう。
翔は、その辺のこと、どう思ってるんだろう?
翔の両親は、俺たちのこと、どんな風に考えてるのかな~?
「相葉~!!みんなで写真撮るよ~こっち来いって」
風間に呼ばれて、俺は仲間の輪の中に入っていった。
4年間、いろんなことがあった。いい事ばっかりじゃなかったけど、でも、楽しい思い出がたくさんできた。
先生方や仲間や、先輩後輩に囲まれて、幸せだった。
何よりも、翔と過ごした毎日は、俺にとって、掛け替えのない大切な時間だった。
......ありがとう。俺の大学生活...
『今、巣立ちの時...』