第19章 君を守るために
「何だよ~...冗談じゃん...ちょっと可愛いから、揶揄ってみたくなっただけで..」
俺はその言葉に、岡田くんの胸倉に掴みかかった。
「ふざけんなよ///嫌がってただろ~?」
怒りが抑えられない///
岡田くんはそんな俺を睨んでから腕を振りほどいて、
「ナイト面すんじゃね~ぞ...」と吐き捨てた。
俺たちはそのまま無言で睨み合う。
先に目を反らしたのは岡田くんの方で、
「...ったく、冗談の分かんね~奴等だぜ...」
そう言いながら、その部屋を出ていった。
俺は、人に見られないように、岡田くんが出ていった襖を締めて、翔を抱き締めた。
「雅紀...俺...」
震えるその背中を強く抱き留め、
「俺が目を離さなきゃよかったんだ...」
「雅紀...雅紀......」
「もう大丈夫だから...一緒に帰ろう...」
俺は、肌蹴た翔のシャツを直して、もう一回抱き締めた。
ずっと翔の姿を...楽しそうな顔を視界の隅に置いていたはずなのに...
こんなことになるんなら、一緒のグループに居るんだった!翔から離れなきゃよかった!!
俺はコンパの会場にジャンパーを取りに戻り、そのまま帰ると仲間に告げた。
「櫻井、大丈夫なの??」
酔って潰れていると思っている仲間に、
「ダメみたいっす...このまま、連れて帰るんで...」
と笑ってみせた。
「頼むな~!相葉...」
近くに居た先輩もそう言ってくれた。
岡田くんはというと、もう違うグループに入って、普通に笑っていた。
......ちくしょ~...あいつ...
苦々しい思いを胸に、俺はその場を後にして、翔と一緒に店を出た。
歩きながら、
「雅紀...ごめんね...」
そんなこと言うから、俺はちょっと泣きそうになった。
「なんで翔が謝るんだよ...」
酔った振りして、肩を組んで引き寄せた。