第19章 君を守るために
週末のサークルのコンパに、
俺は翔とそろって顔を出した。
俺ももうすっかり慣れて、いろんな先輩や仲間たちと楽しく飲んでいた。
翔も、別のグループで盛り上がってるみたいで、
その楽しそうな姿を視界の隅で確認しながら、俺もだいぶ酒が進んで来た。
そろそろお開きになるという雰囲気に、俺は一緒に帰るために翔を探した。
......あれっ?いないな...トイレかな??
暫くしても、戻ってこないから、俺はさっきまで翔と飲んでいた奴を捕まえて、彼がどこに行ったのかと聞いてみた。すると、そいつが、
「ああ、櫻井なら少し前に、岡田と出てったけど...そう言えば、帰ってきてないな~...」
...岡田??嘘だろ...///
この頃、大して接近してきてないから、ノーマークだった!!そう言えば一緒の輪にいたっけ///
一本締めするとか言って立ち上がりかけてるその場を出て、俺は翔を探しに行った。
どこだ??どこに行ったんだ??
まさか、ふたりで店を出てくはずないし...
トイレ??
にしては、長すぎるだろ~///
一応、確認しようとトイレへ向かうと、その手前にある部屋から、ガタンッという大きな音がした。
俺は、嫌な予感がして、思い切って仕切られたその襖を開けた。
するとそこに居たのは、
岡田くんに馬乗りになられた翔の、前を肌蹴られた姿...
「翔!!」
俺は岡田くんの上着を掴んで思いっきり引っ張った。
「雅紀!!」
駆け寄った俺にしがみ付いてきた翔の肩は、可哀想な程に震えていて、俺はすかさず岡田くんを睨んで、
「何やってんっすか?こんなこと!!」
すると岡田くんは、俺に退けられたときに壁に打ったんだろう...頭をさすりながら、ノロノロと起きあがった。