第19章 君を守るために
【 雅紀side 】
俺の髪を撫でている大きな手...
...あ...俺、イッて、そのまま意識無くなったんだ...
「翔...」
目を開けて、大好きな人の顔を見る。
逞しい胸...頼りがいのある太い腕...
ちょっと撫でてる、肩のライン...
大好きな、赤くてぽってとした唇がゆっくりと、スローモーションみたいに動く。
「雅紀...大丈夫..?」って。
「...うん...平気..」
大きな目を細めて、
「よかった...」
って、翔が笑った。
......幸せだな...俺...
好きな人とこうして一緒に時間を紡ぐこと。
大切に抱き締めてもらうこと。
いっぱいの愛を貰うこと...
「...翔...俺さ、立派なナースになるよ!」
「ふふ..じゃあ、俺も🎵雅紀に負けないように、立派なドクターになるよ!」
「翔はそんなに頑張んなくてもなれるよ!!!」
身体を半分起こして、ムキになってそう言うと、そんな俺の腕を引き寄せて、翔は俺のこと抱き締めてくれた。
「将来さ、一緒に、櫻井総合病院を盛り上げていこうぜ...」
「雇ってくれますか?」
「俺にその権限ないからさ~、採用試験受けてね🎵」
「え~///そこはちょっと、贔屓してよ~!!」
「どうかな~?」
そう悪戯っぽく笑う翔に、俺も笑った。
将来の夢...
漠然としたものだったのが、現実が、もうそこまで来てる。翔と一緒にいたいって、そう思う...
その気持ちに、迷いも揺らぎもないけど。
仕事上のパートナーとして、
必要とされる人に、俺、なれるのかな~?
と、不安になる。
だって俺...大したとりえもないし...
成績だって、ずば抜けてるわけでもない...
......相葉雅紀!!
こっからだよな!!
気合入れなおして、俺はもう一を、ぽってりした赤に貪りついた。