第19章 君を守るために
【 翔side 】
焦る雅紀が、ちょっと面白くて、わざと意地悪してみちゃった...
今日1日、一緒に居たけど、俺とくに雅紀が怒るようなことしたつもりもないし...
時々あの人、いろいろ小さなことに引っ掛かって、ぐるぐる思い悩むこと、あるんだよね〜
まあ、取り敢えずその後は、美味い豚カツをガッツリいただいて、普通のこと話して、
二人でキッチンに立っていた。
「雅紀に用意して貰ったからさ、片付けは俺がやっとくよ♪今日のレポートとかあんの?」
「...あ、それはもうやった..」
「じゃあ、雅紀も風呂入って来いよ!」
雅紀はちらっと俺のことを見たけど、
「じゃ、そうしよっかな...」
と、タオルで手を拭いた。
「お背中、流しましょうか?」
そう笑いながら言う俺に、
「え、や...いいよ、また、今度で..」
と、雅紀は逃げるように風呂に行ってしまった。
...全くさ。
みえみえの、バレバレだってば〜(*^-^*)
そうして、洗濯物を畳んでからリビングに戻ると、雅紀はもういなくて。
まだ、10時だけど....寝ちゃったのかなぁ〜?
俺は、寝室を覗いたけど、そこにもいなくて。
仕方ないから、雅紀の部屋をノックすると、ちよっとバタバタと音がしたあと、
「...どうぞ」と返事があった。
「何してたの〜?」
部屋に入っていくと、閉じられたままの医学書と参考書が置かれていて、
慌てて置いた感が、ありありだった。
「勉強してたの?コーヒー入れてこようか?」
そういう俺の顔を、ちょっとの間見てた雅紀は、観念したように椅子から立ち上がって、
「いや..いいよ..もう寝るから..」
と言った。