第19章 君を守るために
その後も、同じような妊娠診断や、
乳腺炎の患者さんの処置。
子宮頸がん検査や不妊治療まで。
様々な事例を実習させてもらった。
雅紀は、俺やドクターの指示にてきぱきと応えながら、動いてくれ、もうすでにカッコいいナースのようだった。
昼飯は、休憩時間も違うので、
雅紀と一緒にはなれず、俺は一人、食堂で定食を食べていた。すると、
「翔...」
「雅紀!!」
定食のトレイを持った雅紀と、友達の...
「初めまして。風間です。いつも相葉くんにお世話になってます!」
雅紀と一緒に居た風間くんは、とてもきちんとした挨拶をするやつで...
でも、これじゃあ、俺、雅紀の親みたいじゃん(^^;
「一緒してもいいですか??」
俺がいいって言う前から、風間くんは俺の前に座った。
彼に微笑みがながら、雅紀を見ると、ちょっと元気がない顔していた。
??どうしたんだろう??
朝は一緒の実習だって、喜んでいたのに...
「雅紀も座れば?」
風間くんに言われ、雅紀は仕方ないという感じで風間くんの横に座った。
「それ、美味いっすよね?鯵フライ定食。俺、大好きなんっすよね~🎵」
「でも今日は生姜焼きなんだ~?」
「何か今日は、肉が食いたい気分なんすよ!」
「今日はどこでやってるの??」
「俺は、小児科です...点滴ひとつで泣き叫ぶ子ども押さえつけて、いつもの数倍疲れちゃいました!」
「ははっ...ご苦労様...」
......俺と風間くんの話が弾んでも、雅紀は全く入ってこなくて。
俺が変な顔して雅紀を見ているのに気付いた風間くんが、
「でも、ホントに...相葉が言ってた通りでした~...いっつも、櫻井くんのこと、『イケメンだ、イケメンだ』って自慢してきて...」
そう言われた雅紀は、ちょっとだけ赤くなった。