第18章 君がいるから
【 雅紀side 】
賑やかだった3人が帰ってしまうと、
何だか急に静かになり、部屋が妙に広く感じた。
「さて、片付けよっと...」
俺が皿を持つと、翔が俺のこと後ろから抱き締めた。
「翔....今日はありがと..」
俺が言うと、
「こんな喜んでくれて、俺も嬉しかったよ..」
翔が優しく髪を撫でてくれてる。
その優しい指先に、
今日はいつも以上に、
ここが俺の居場所なんだって、そう思えた。
そう思えることが、幸せだった。
「俺が片付けとくからさ、雅紀は先に風呂入って来いよ..」
「でも...」
「今日は雅紀が主役でしょ?俺にやらせてよ〜」
翔がそう言ってくれるから、俺は遠慮なく風呂に入ることにした。
風呂から出ると、リビングのテーブルの上に、長方形の箱が置いてあった。
俺が出てきたのが分かると、キッチンから翔が、
「あ~、雅紀。それ、俺からの誕生日プレゼント...急いで買ったからさ、サプライズとかでもなくて悪いんだけど...」
「ねえ!開けても、いい?」
翔が手を拭きながらキチンから出てきた。
「もちろん!きっと気に入るよ♪」
俺はドキドキしながら、ラッピングを少し乱暴に破いた。
「...これって...」
箱の中から、ニューバランスのスニーカーが...
「どう?...気に入ったでしょ?」
その濃いグリーンのスニーカーは、先日翔と買い物に行ったときに俺が見て、カッコいいな..って、そう言っていたやつだった。
「これ...高いのに...」
「いいんだ!雅紀が喜んでくれれば...」
「翔///ありがと!!」
俺は思わず翔に抱きついた。