第18章 君がいるから
「そんなきっかけって、ある~?」
雅紀が不思議そうに聞くと、
「だって俺、ほんとにかずが好きだったんだもん...
だから、きっかけなんか、どうでも良かったんだ...」
智が、嬉しそうにそう言うのが、なんだかとても新鮮だった。
「...俺が、振り向いてくれるの待ってたんだよな?」
かずがそう言いながら智に肩を組むと、
「全く、その自信..どっから来るんだよ...」
と智も笑った。
何だか、二人のこんな姿を見るのは初めてだったけど、凄く自然で、幸せそうで...
何よりも雅紀が、自分のことのように嬉しそうに二人の話を聞いているのが、俺も嬉しかった。
「そうだ!俺、雅紀にプレゼント持ってきたんだ」
そう言いながら智が出したのは、
上半身の人形っていうの?それが2体...
「翔と雅紀だよ♪」
智はドヤ顔だけど、正直あまりにデフォルメされていて、俺達には似てるとは言い難く...
だって、これもう黒人だし///('_')
「よくわかんないけどさ、受け取ってやってよ~..マニアの間では結構人気らしいよ、その変な顔のやつ...」
「変なとかいうな!!」
智は笑ってそう言った。
「智!!マジで嬉しい!!ありがとね~...大事にする!そうだ!!玄関に飾るよ!」
...えっ、マジか...(-_-;)
「その翔と雅紀さ、...こうすると...」
智がその2体の黒人を近付けていくと...
二人の唇は、ぴったりくっついた///
「すげぇ~///」
雅紀は大感激みたいだけどさ...
『これって、どうなん??』と、俺は心の中で思っていた。
11時過ぎ、みんな帰るって言うから、泊ってくように言ったんだけど、
「そんな野暮なこと出来ないよ~」
って、揃って帰っていった。