第18章 君がいるから
【 翔side 】
恥ずかしいからふざけた俺に、
雅紀が唇を尖らせてて。
3人は大爆笑してる...
俺は3人が腹を抱えて笑ってるその隙に、
ちょっと膨れた雅紀の頬に、電光石火で、キスをした。
『ヒュ〜ウ///』
冷やかされて、雅紀が真っ赤になった。
そんな雅紀が、ホントに可愛い...
誕生ケーキひとつで、こんなに喜んでくれたこと、俺も嬉しかった。
「それはそうとさ...」
ケーキを食べながら、俺は聞きたいと思っていたことを切り出した。
「かずと智はさ、なんで付き合うことになったの〜?」
「あ~、そこ知りたい!」
雅紀も気になってたらしい。
「きっかけはね...いい?言っても?」
智がかずの顔をうかがう。
「まあ、別にいいよ...」
智が話し出した。
かずは高校時代、クラスの女子ととっかえひっかえ付き合っていたらしく、
かずが言うには、『付き合って』って言われるから、『別にいいよ』と付き合ってはみるけど...
結局かずがまじめに付き合わないから、
女の子の方から去っていくらしい。
『一緒に居てもつまらなそう』
『私よりゲームの方が大事』
『ほかに好きな人がいるんでしょ』
『何考えてるか、分かんない』
と...別れる理由は大体こんな感じだったらしく。
「ひでえな、それ...」
翔も苦笑い。
そんな中、一人の子が、
『何でいつも本気になんないの?』
と詰め寄ったらしく。
その時のかずが言った苦し紛れの理由が、
「俺、智が好きだから...」
...それまで、智が何度告白されても、誰とも付き合わなかったことが、かずの発言に妙な信憑性を産み...
噂はたちまち広がって、校内で、智とかずはすっかり、ホモだということになってしまい...
仕方ないから、ホントに付き合うことにした...
ということらしい...