第1章 きらきらひかる
美樹「翔くん、痛そう...血が出てる..」
裕美「ホントだ!砂も入っちゃってるよ~」
翔「...だいじょぶ..だもん...」
それまで我慢してたのかな?翔くんの大きな目から、みるみる涙が溢れてきた。
葵先生「翔くん、よく洗って消毒しましょう。
大丈夫だから...歩ける~?」
翔「...うん...」
翔くんは、先生に付き添われてお部屋に戻ってしまった。
美穂「翔くん、ちっちゃいんだから、雅紀くんがちゃんと守ってあげなきゃ、ダメじゃない!」
典子「そうだよ...ゾウ組の正広くんたちに意地悪されないように...」
雅紀「うん...分かったよ..僕が、
翔くんのこと、守るよ!」
.........
保育園の時に言った、この言葉が、
ずっと、大きくなっても、
僕の心の中の真ん中に
大きくあって、
翔くんを守りたい一心で、
僕は『強くなりたい』って、
そう思っていたのかもしれない...
僕が、側に居て、小さい翔くんのこと、
ちゃんと見ててやらなきゃ...って...
4歳の時に出会った僕と翔くんは、
それからずっと、一緒にいることになる...
保育園のこの時は、
そんなことは分からないけど、
とにかく、いつも翔くんといたい、
って、そう思うようになっていったんだ。
色が白くて、少し薄茶の柔らかい髪、
僕よりずっとちっちゃくて、
くりくりの大きな目は、
いとこの子が持ってた人形よりも、
ずーっと可愛かった。