第1章 きらきらひかる
【 雅紀side 】
「葵せんせ~!大変、大変!翔くんが...」
葵先生「翔くん?翔くんがどうしたの?」
「いいから、こっち!早く来て!!」
僕は急いで担任の葵先生を呼んできた。
木登りしていて、足を滑らせて、
翔くんが落ちたんだ。
地面にうずくまる翔くんの周りには、
大勢のお友達がいて、
その輪を掻き分けるようにして、
僕は翔くんの元へ急いだ。
葵先生「翔く~ん?大丈夫?どうしたの?」
美穂「ゾウ組の正広くんが、翔くんに木登りさせたの~」
正広「だって、翔ができるなんて言うから...出来もしないくせにさ~!」
翔「できるもん!!ちょっと失敗しただけだもん!」
涙で溢れそうな目で、それでも翔くんは、正広くんをまっすぐに睨んだ。
正広「じゃあ~やってみろよ!
あの枝の先の、ターザンロープまでだぞ!」
翔「いいよ!!」
葵先生「翔くん!ダメだよ...傷にもなってるし、消毒しなきゃ!!」
翔「でも...」
典子「そうだよ、翔くん。バイ菌が入ったら大変だよ」
正広「弱虫にはできっこないよ!」
翔「弱虫じゃないもん!!」
正広「弱虫毛虫、はさんで捨てろ~♪」
翔「僕は、毛虫じゃなーい///」
絢先生「正広く~ん...
ちょっとこっちにおいで~」
正広「何だよ~...ごめんなさいってば///」
絢先生「直ぐに謝ればいいってもんじゃないの!」
年長クラスの正広君は、
絢先生に連れられて行ってしまった。