第18章 君がいるから
みんなが俺のために歌ってくれてる。
大きなケーキは苺がたくさん乗ってて、
真ん中には俺の名前が.....
砂糖でできたくそ甘いサンタの人形も、
白い雪の乗った家もない....
これって、正真正銘の誕生日ケーキだ///
.....なんか...感動するんだけど...
「さぁ、雅紀♪」
歌が終わって、ろうそくを吹き消せと、
翔が急かせる....
よし...じゃあ....
「フウ〜....」
『おめでとう!雅紀〜♪♪』
「...ありがとね、みんな...ほんと、ありがと..」
「あれっ?雅紀、泣いてるの〜?」
ニノに指摘されて、俺は慌てて目を擦った。
「雅紀...泣くほど嬉しかったの?」
翔に顔を覗き込まれて、何だかばつが悪いけど、でもホントに感激しちゃって...
「俺ずっとさ、誕生日のケーキはクリスマスケーキだったんだよね〜...
子どもの頃にさ、『どうして僕のケーキは名前が書いてないの?』って、親に聞いたことがあったんだ。そしたら、母ちゃんが、
『この時期は誕生日ケーキは作ってくれないんだよね』って....
そうだよね、だって世の中じゅうがクリスマスなんだもん!
誕生ケーキなんか、忙しくて作ってらんないよな...ってさ、俺はそう言い聞かせてたんだよ....」
「...雅紀...」
俺の身の上話に、みんな聞き入ってる。
だけど本とは、名前のかいてあるケーキ、
食べたかったんだ....まさきって...
「俺んち中華料理屋じゃん?24日は忙しいんだよね...そんなこと言ってらんないの、分かってた....
分かってたけど...ってやつ...グスッ...
ごめんね、みんな...何で俺泣いてるんだよね..」
すると翔が、俺のことふんわりと抱き締めた。