第17章 医学の道、その2歩目
そのまま朝を迎える訳にもいかないから、
俺は名残惜しいけど、翔をそのままにして、
翔の布団に潜り込んだ。
翔が抱きついてきたから、少しだけ反応した自分に、苦笑いしながら、目を閉じた。
一日、長かった...
いろんなことがあり過ぎて...
病院で出会った『あやちゃん』の顔が忘れられなかった。あんなに小さいのに、自分の運命見つめてて...
しっかり受け止めて、向き合ってるなんて...
俺なんて、こんなでさぁ〜..
彼女に申し訳ないくらいだよ(-_-)
人の運命なんて、明日はどうなるかなんて、誰にも分からない...
あの子に同情してる自分だって、
この先なにもないなんて保証は、何処にもないんだ...
だからこそ。
今をたいせつにしたいな...
親に金出してもらって、一応将来の夢もあって、それに向かって努力出来る身体もある...
愛する人と、一緒に将来の夢を語り合える俺は、すげ〜幸福者なんだって、改めて気付いた。
最後の命を、懸命に生きているあやちゃんに、俺がいい加減な生き方してたら、申し訳ない。
誰にも恥ずかしくない自分でいたいな...
「...雅紀..もうお腹いっぱい..」
隣から聞こえてきた、可愛い寝言を聞きながら、俺も目を閉じた。
ホントに、色んな顔を見せてくれる、
俺の恋人。
これからもずっと、この人に翻弄されて、振り回されてくんだろうな...
って...
そう思うことが、嬉しかった。