第17章 医学の道、その2歩目
「雅紀、なんであんなこと言ったの~?」
「...?あんなことって??」
急に翔がそんなこと言い出したけど、
俺は『あんなこと』が何を指しているのか分からなかった。
「ただの幼馴染だって...」
「あ~、それか...」
「俺はさ、別にみんなに分かってもいいって、
そう思ってるよ~付き合ってるって知られても。」
......何となく、分かってたよ...
それはすごく嬉しい...翔が、俺のこと隠さないでいようとしてくれてること...
でもさ...
「翔...ありがと。翔の気持ちは嬉しいよ...でも、俺は言う気、ないから..」
「なんで?俺とのこと..」
「そうじゃないけど。
...そうじゃないけどさ、俺、好奇の目で翔が見られんのヤなんだよね...男同士っていうだけで、色眼鏡でみるやつらに、俺たちの純粋な気持ちを揶揄われたくないんだ...」
「雅紀...」
「翔とのこと、何よりも大切だから...だからこそ、守りたいんだよ...」
...そう。
翔はあの事件の後、世間の好奇の目に晒された経験を持ってる。心無い人の、心無い言葉に傷ついてきた。
もう......
翔をそんな目に合わせたくない///
影でいろいろ言うような連中から、翔のことを守りたいんだよ...
「雅紀...ありがとう...雅紀の気持ち、俺、凄く嬉しい...でもね。これだけは知っていて欲しい...
俺は、雅紀とのこと、誰に何を言われても平気だし、隠す気もないんだ...でも...雅紀がそう言うなら、それでいいや...
本音はさ。みんなに言いふらしたいよ~?
この人俺の恋人なんだよ~!!って♪
みんなに自慢して歩きたいくらいなんだけどね❤」
「翔!!!」
俺は翔を思いっきり抱き締めた。