第17章 医学の道、その2歩目
ジャスト8時。俺たちを乗せたバスは新宿駅を出て、一路長野県安曇野市へと向かって出発した。
俺の隣には、もちろん翔。
「雅紀、サービスエリアでソフトクリーム食べよ🎵」
「え~?この寒いのに~?」
「だって、ご当地の味、楽しみたいじゃん!!」
「ご当地、って...」
遠足に行く小学生かっ///そう言いたいくらい、翔は嬉しそうにはしゃいでいた。
そして、そんな彼を見ることが、俺は嬉しくて、
幸せだった。
通路を隔てた隣の席の女子たちが話し掛けてきた。
いつか俺たちをカラオケに行こうと誘ってきた子だ。
「ふたりって仲良しね~🎵幼馴染なんだって?」
翔が話したのかな?
「そうだよ。小さい頃から、ずう~っと一緒に居るんだよ!ねえ~雅紀?」
ねえ~って、そんなずっととか言わなくても...
「あ、うん...まあ..そうだね...」
翔のことを好きらしい女の子が、歯切れの悪い俺にも、お構いなしに切り込んでくる。
「ねえねえ、翔くんの小さい頃って、どんなだったの?その頃から、カッコよかったの~?」
...カッコよかったとか、全く...アイドルかよ///
「すげぇカッコよくて、超モテモテだったよな~♪雅紀?」
「...うん..マジでホントに可愛かったよ~...その辺にあるお人形よりずっと可愛くて、みんなの人気者だった!」
ついつい語ってしまった俺に、その子たちは、でしょうね~❤と納得顔。
「相葉くんも、好きだったの?」
そう、好きだった..って...はあぁ~???
何だよその質問?引っ掛け??
それともギャグ?
すると、答えない俺に変わって、
「そうでしょうね♪ほら俺って、アイドルだったから(^^♪」
と、翔がお道化て応えた。