第16章 医学の道も一歩から
「ダメです!!止めてください///」
「どうしました~」
中の異変に気付いた指導看護師と、もう一人の看護師が部屋に入ってきた。
一気に女性が二人も入ってきて、その男性は、慌てて俺の手を離し、股間を隠そうとした。
ふたりの看護師は、目配せしあって、
男性の手を抑え、
「相葉くん、ドクターが呼んでるので。続きは私たちがやるから、行って」
と言ってくれた。
「はい、分かりました..」
そんなことが嘘なのはすぐに分かった。
先輩看護師の機転で俺は助かった。
後で、そのことについても、時々そう言うこともあるという話を聞いた。
まあ、大体は女性の看護師に対してだけど...
夜、夕ご飯を食べているときに、その出来事を翔に話した。
始めは眉を顰めていた翔も、
「その人、雅紀がいなくなってから、気まずかっただろうね~」
と笑った。
「笑い事じゃないよ!!あのホモ野郎///キモいんだよ、マジで...」
俺の怒りは収まらない。
「きっと、最初っから雅紀のことそう言う目で見てたんだろうね~...ほら、雅紀って、可愛いから...」
急に翔に可愛いとか言われて、赤くなる俺に、
「そういうときは、どうするのか、聞いたの?」
相変わらず楽しそうな翔は、ニコニコしながら聞いた。
「毅然とした態度が必要だって。」
「雅紀なら、シテくれそうな雰囲気だったのかな~..」
「そんなことないよ!!!俺、ちゃんと..」
「嘘だよ..気を付けろよな~..俺以外の、触るときは...」
急に艶っぽい、悪戯っぽい顔してそう言われ、
俺はドキドキした。
「...わ..分かってるよ...」
不貞腐れ気味にそう言った俺に、翔は大爆笑した。
......なんか、ムカつくんですけど~(-"-)