第16章 医学の道も一歩から
翔の言葉に、俺は思わず顔を上げた。
俺たちって、
ホントに似てるよね...
見た目も中身も、全く違うけど、
何て言うのかなぁ...考えてることが、
思ってることが、
言おうとしてる言葉が、あんまりぴったり同じだから、もう俺は、笑うしかなくて...
そんな俺を見た翔が、
「なに?俺なんか、可笑しなこと言った?」
と、口をすぼめた。
......全く//そんな顔もまた、可愛いから、
困るって言ってんだよ!
「....翔..」
俺は、彼をもう一度抱き締めて言った。
「俺たちさ、おんなじだな...って、
そう思ったんだよ..思ってることとか、
感じたことがね...
俺が言いたかったことを、翔が言ったから...」
「そうなんだ...♪」
「さっきの言葉のあとに、^こんな幸せで、罰があたる¨ってさ、そう言いたかったんでしょ?」
その言葉に、翔は大きな瞳をキラキラさせて、
「雅紀///すげーよ...マジで//」
そうしてまた、抱き合った。
でも、俺ん中から、小さくなった翔が滑り出たから、それも一旦中断し、
翔が俺に背中を向けて、ゴムを外す姿に、また心臓撃ち抜かれた俺は、
肩越しにその作業を覗き込み、
彼の強烈な肘鉄を頂戴して踞った。
翔....
これからもさ、
いろんな事があるかもしれない...
いや。あるだろう。
弱い俺も見せるかもしれない..
でも、それも、俺だから.....
そんなところも、隠さずに見せても、
大丈夫..だよね?
長かった1日、もうすぐ日付が変わる。
....翔..愛してるよ...
何度だって言うよ!
自分よりも、大切で、
失いたくない人...
そんな人に巡り会えた奇跡に、
心から、感謝したいんだ....
いそいそとゴムをティッシュに包んでる翔の、逞しくなった背中を見ながら、
そう思っていた。