第16章 医学の道も一歩から
【 雅紀side 】
遠退きそうになった意識を手繰り寄せ、
目蓋を、ゆっくり押し上げれば、
俺の直ぐ隣で、綺麗な肩甲骨が上下して、
上がった息を整えている。
......綺麗だな...
そっと手を伸ばして、その白い背中に触れると、翔は俺の方を向いた。
「...雅紀...サイコーだったよ..」
そう笑った翔に、なんでか俺は鼻の奥が熱くなって、慌てて顔を背けた。
......彼氏にそんなこと言われて泣くってさ///
どんだけ俺女子なんだよ!!って...
なるでしょ?
「雅紀...こっち向いて🎵」
「.........」
「ま~さき♪顔見せて...」
ゆっくり顔を向けると、翔は俺の前髪をそっと掻き上げて、触れるだけのキスをした。
///////もう!!なんなん?それ??
俺はやっぱり堪え切れなくて、
翔の汗ばんだ胸に顔を埋めた。
...グスンッ...( ;∀;)
「泣き虫🎵」
心臓をぎゅっと鷲づかみにするその低音で、そう笑った翔は、そのまま俺の頭をずっとずっと撫でていてくれた。
そんなことされて、
俺はますます、くる訳で///
暫くそのまま、ぐすぐす泣いていた。
......幸せなんだよね、俺。
好きな人に抱かれて、一緒に登りつめて、
で、今もこうして胸の中にいる...
......ほんとに、いいのかな?って思う。
こんな幸せで、俺、罰あたんないかな?って...
そんなこと思って盛り上がっちゃってるからさ、なかなか涙が止まらない俺に、
翔がつぶやくように言ったんだ。
「俺、こんなに幸せでも、いいのかな~..」
って...
......翔....