第16章 医学の道も一歩から
「翔、こっち!!」
前から歩いてくる、出会ってはいけない奴等に気付き、慌てて路地に入ろうと翔の手を引いたけど、間に合わなかった。
「あ〜れぇ〜?そこにいるのは、もしかして?櫻井翔くんじゃないのぉ〜?」
「……」
翔が顔が明らかに強張っているのが分かった。
「久っしぶり〜♪俺たちのこと覚えてくれてるんだぁ〜!感激だなぁ..」
俺は咄嗟に、翔を背中に隠したけど遅かった。
その二人組は、忘れたいから忘れようとしてたけど、
忘れることなんかできない.....
あの3人のうちの二人....
翔をレイプした、あの悪魔たち/////
どうしよう!?
翔をこいつらから遠ざけなきゃ!
…どうしよう?
……どうしよう?
「何だよ〜?その目は!」
えっ??
見ると、俺の後ろで、翔は、じっとふたりのことを睨み付けていた。
「翔...」
「何だ〜?その目はよぉ////お前のお陰で、俺らの人生、台無しだよ!」
「なっ///何言ってんだ!お前ら、自分がしたこと、分かってんのかよ!」
卑劣なことをしたのは自分たちのくせに、翔のせいだと言う、このくず野郎どもに、俺ははらわたが煮えくり返る思いで/////
すると今まで黙っていた仲間の一人が、
「何だよ...もしかして、お前らふたり、付き合ってんのかよ?....俺らにヤられて、目覚めちゃったのかな..」
「ふざけんなよ、この..//////」
俺が下衆い顔で笑うそいつの胸ぐらを掴んだその時、巡回中なのか、警察官がふたり、走ってくるのが見えた。
「こらぁ――!!そこ!何やってんだ〜///」
「やべっ!逃げろ////」
警察官を見るなり、そいつ等は反対に駆け出した。