第16章 医学の道も一歩から
翔に誘われて思い腰を上げて入ったサークル。内心は、翔の大学のご学友に、若干のコンプレックスを感じていたから…
サークル自体の活動は、基本、児童施設や、病院の小児病棟に行って、子どもたちと触れあうボランティアサークルだが、
サークルという名にかまけて、スポーツ合宿があったり、コンパがあったりする、
ごくごく普通の大学サークルだ。
この日のミーティングは、
週末に行く児童養護施設での出し物と日程についてと、定例コンパについて。
サークルには100名近いメンバーがいるが、実際にちゃんと活動しているのは半分以下。
後は来たり来なかったり、ということだ。
ミーティングが終わり翔と帰ろうとすると、
さっき翔のこと見ていた女の子がもう一人の娘と一緒に話し掛けてきた。
「翔くん、この後カラオケ行かない〜?
相葉さんも一緒に、4人でどう?」
俺は黙って翔の顔を見た。
「あ〜..残念だなぁ...この後俺、歯医者の予約があんだよね〜//
雅紀もだったよな?」
「あ..うん、そうそう..」
.....歯医者ってさ...(-_-)
もう少しいい理由があったかもな..
その言い訳を鵜呑みにしたとも思えないけど、彼女はあっさり引き下がった。
「じゃあ、また今度、行こうね」
「うん。今度行こうね〜♪」
.....さっさと断っといて、翔は、最高にキラッキラの笑顔を彼女に送った。
今の絶対、過剰サービスだからな!
帰り道。
ふたりでサークルのことを話ながら並んで歩いていると、前から二人組の男たちが歩いてきた。
見るからにがらの悪そうなその二人に、
翔は一瞬で、凍り付いた。
……えっ?
こんな奴等と、知り合い…な訳…
……もしかして、こいつら////