第15章 You’re my sunshine
俺たちはまた並んで歩き始めた。
心地好いウクレレの音が遠ざかっていく。
翔は、いつも真っ直ぐに伝えてくれる。
そんな直球がいつだって羨ましくて、
翔....
君こそ、俺の太陽なんだ。
パンケーキ屋さんから出るまでは、
さっきのあの先輩には気を付けろ、って。
そう言うつもりだった。
でも。
そんなこと言ってたら、翔の周りにいる全ての人を把握してなきゃいけなくなる...
そんなこと、無理だ。
翔には翔が生きる世界があって、
俺はその一部に住んでいるに過ぎないんだ。
当たり前のことだけど....
何だか、やっぱり、
少し淋しい....
そんな俺の気持ち、翔はちゃんと分かってた。だから、歩きながら、
「雅紀、将来敏腕看護士さんになってさ、
カリスマ医師の片腕になってよ♪」
「へっ?」
唐突なその依頼に、
俺は目を丸くして立ち止まった。
「あ〜、ちなみにさ、分かってると思うけど、カリスマ医師って、俺な♪」
振り返って悪戯っぽい笑顔でウインクする翔...
「...翔...」
「大変だよ〜?雅紀、何しろほら、カリスマだし♪ちゃんと着いてきてよ〜?」
.......涙がじんわり浮かんできて、
ヤバい/////こんなとこで...泣くわけに...いかない
でも....ズルいよ〜///翔...
奥歯をぐっと噛んで耐える俺に、
「泣き虫♪」
って、翔は笑った。
俺は堪らず翔に駆け寄って、
抱きつきたかったけど、それは流石に我慢して、でも、どうしても翔に触れたくて....
右手を出して翔の右手を強く握った。
その瞬間、我慢してた涙が頬を伝った。
「何で、握手...(^-^)」
そう目を細めた彼の笑顔は、
やっぱり太陽みたいに眩しかった。