• テキストサイズ

Green~君といた季節~【気象系BL】

第15章 You’re my sunshine



俺たちはまた並んで歩き始めた。

心地好いウクレレの音が遠ざかっていく。



翔は、いつも真っ直ぐに伝えてくれる。

そんな直球がいつだって羨ましくて、


翔....

君こそ、俺の太陽なんだ。



パンケーキ屋さんから出るまでは、
さっきのあの先輩には気を付けろ、って。
そう言うつもりだった。

でも。
そんなこと言ってたら、翔の周りにいる全ての人を把握してなきゃいけなくなる...

そんなこと、無理だ。

翔には翔が生きる世界があって、
俺はその一部に住んでいるに過ぎないんだ。

当たり前のことだけど....

何だか、やっぱり、
少し淋しい....


そんな俺の気持ち、翔はちゃんと分かってた。だから、歩きながら、

「雅紀、将来敏腕看護士さんになってさ、
カリスマ医師の片腕になってよ♪」

「へっ?」

唐突なその依頼に、
俺は目を丸くして立ち止まった。

「あ〜、ちなみにさ、分かってると思うけど、カリスマ医師って、俺な♪」

振り返って悪戯っぽい笑顔でウインクする翔...

「...翔...」

「大変だよ〜?雅紀、何しろほら、カリスマだし♪ちゃんと着いてきてよ〜?」


.......涙がじんわり浮かんできて、

ヤバい/////こんなとこで...泣くわけに...いかない
でも....ズルいよ〜///翔...


奥歯をぐっと噛んで耐える俺に、

「泣き虫♪」
って、翔は笑った。

俺は堪らず翔に駆け寄って、
抱きつきたかったけど、それは流石に我慢して、でも、どうしても翔に触れたくて....

右手を出して翔の右手を強く握った。


その瞬間、我慢してた涙が頬を伝った。


「何で、握手...(^-^)」

そう目を細めた彼の笑顔は、
やっぱり太陽みたいに眩しかった。




/ 543ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp