第3章 変わっていくということ ~僕は、ぼくなのに~
すると先生は、
先生「まあ、ホントだ!気をつけなきゃ...」
和也「ごめんなさい!ごめんなさい!
ほんとーに、ごめんなさい!」
カズくんは、頭の上で両手を擦り合わせて、
先生に謝っている...
先生「仕方ないわね~...まあ、
わざとじゃないもんね!
怪我はない?今度から、気を付けてね...」
...カズくん......
僕がやったこと、あんなに謝って...
それなのに、僕ってば...
.........
和也「翔くん、怒られなかったね♪」
「うん..でも...ホントは僕が...」
和也「もういいじゃん!そんなの、
誰がやったかなんてさ♪さあ、行こ(^^♪」
カズくんがジョーロを持って走ってくから、
僕もその後を追いかけた。
....先生、叱らなかった。
僕、カズくんのせいにしちゃった...
僕は、......ズルい...
カズくんは気にしてないみたいだったけど、
僕は、このことが、ずっと、
忘れられなかった...
嘘つきの自分と、
僕の代わりに謝ってくれたカズくん...
卑怯な自分が、なんだか、凄く...
....イヤだった...
水やりの後、
珍しくカズくんと帰ることになった。
和也「今日は、潤くんは?」
「うん、先に帰って、って言ったから...」
和也「そっかぁ....そう言えば、
翔ちゃんと二人で帰るの、
なんか、初めてだね!」
「うん..そうだね...」
和也「いつも、誰かいたもんね~」
「...うん..」
元気のない僕の肩を、
カズくんが、急に自分の方に引き寄せた。