第15章 You’re my sunshine
「おお~櫻井!偶然だな~」
「岡田先輩!!危ないっすよ~駆け込み乗車は〜」
「お前もレポートの本、探しに来たの~?
..っていうかさ、先輩は止めてくれよ!同級生なんだから!」
「いや、だって、実際先輩だし...」
水臭いじゃんとか何とか言いながら、
その岡田先輩と言う人は、慣れ慣れしく、翔に肩を組んで密着した。
「熱いし///それに、ニンニク臭い...」
大袈裟に顔をしかめて見せる翔ちゃんに、わざとはぁ~っと息を吹きかけて、
「さっき、ニンニクたっぷりのラーメン食ってきたから~。櫻井に会うって分ってたら、食べなかったのになぁ~♪」
......なんかさ、疎外感だ。
どこかに逃げるわけにもいかないし...
すると、翔は、
「雅紀、この人岡田准一先輩。同じクラス...って言っても一個上なんだけどね..
先輩、彼は..」
「相葉雅紀っていいます!翔くんとは、幼馴染なんです!」
俺は、翔の言葉を遮るようにそう言った。
驚いた顔をして俺を見ている翔には気付かない振りで、
「俺も看護の勉強してるんで、翔くんに参考書選んでもらおうと思って。」
岡田先輩は、にっこり笑って、
「こいつ、無駄に天才だから、いろいろ教わるといいよ~(^^ゞ」
「無駄に天才って、何すかっ?」
親しげに話す二人を見ていて、俺、分かっちゃった...
この人、翔のとこ、好きだ...
翔を見る目が、俺と同じだもん、直ぐに分かる。
翔のこと、可愛くって仕方ないって感じだ...
俺の分からない本の話や、教授の話で盛り上がる二人から、俺は少し距離を取って、平積みの雑誌なんかを捲っていた。
ほんの数分前までの幸せが、
何だか、夢のような気がした。