• テキストサイズ

Green~君といた季節~【気象系BL】

第15章 You’re my sunshine



電車は直ぐに渋谷に着いて、
俺たちは本屋を目指して歩き出した。

人混みの中を歩くのは、なかなか大変で。
ともすれば、翔から離れてしまいそうになって、
俺は、小走りになる。


すると翔が、すっと左手を出してきて俺の手を握った。

えっ?....こんなとこで...

俺は、焦って、

「翔...誰かに見られるよ..」
と小声で言ったんだけど、翔は全く動じない。

「翔ってば///」

すると彼は、

「別に、見られてもいいし♪つーか、誰も見てねぇから、平気だよ...」


......でもさ...(|| ゜Д゜)



俺たちはずっとそのまま、渋谷の町を手を繋いで歩いた。

翔の言った通り、肩がぶつかりそうな距離ですれ違う人たちは、誰も俺たちのことなんか気にしてなかった。

こんな人前で、翔に手を引かれて歩くことが、
何だか嬉しくて、
ずーっとこうして歩いていたいと思った。

まるで、他の景色がモノクロで、俺たちが手を繋いで歩いてるそこだけが、鮮やかな色を持ってるような...

そんな気がして、嬉しくて...
俺は繋いだ手に、力を込めた。

すると翔は、少しだけ振り向いて、俺の顔を見てふんわり笑った。

その笑顔は、小さい頃から変わってなくて...やっぱり天使よりも、天使だった...


そんな幸せな時間は、本屋について、人混みが切れたところで終わり、自然と離れた手に、寂しさを覚えたことは言うまでもなく。


「俺さ、医療関係の本見たいんだよ...雅紀も行く?」

「うん...行ってみようかな~」


俺は、翔について、書籍販売の階に行くために、
エレベーター乗り込んだ。

扉が閉まる直前、飛び込んできた男がいて、
その人は翔に気付くと、パッと顔を輝かせた。


/ 543ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp