第14章 すれ違う中で
【 雅紀side 】
翔が俺のこと気にかけて、
いろいろしてくれようとする、
それが嬉しい反面、申し訳なかった...
くだらない、とるに足らない嫉妬だ。
自分が、こんなに器の小さい人間だったことに、我ながら呆れる。
俺が翔のこと支えなきゃいけないのに、
そのために、ここに来たのに....
翔は、優しい...
いつも俺のことを気に掛けてくれて、
翔なりのやり方で、俺を大切にしてくれる...
それは分かる...
分かるからこそ...こんな自分が嫌だ...
そんな気持ちを隠して、表向きはいつもの俺で過ごしていた。そして、週末...
俺は、実習の仲間と中間打ち上げに行くことになっていた。でも、翔ちゃんはどうするんだろ~?
朝ご飯を食べながら、
「俺今夜、風間たちと飲み会があるんだけど...」
そう言うと、翔は、
「そうなんだ~...分かったよ。ゆっくりしてくればいいよ♪
飲み過ぎて立てなくなったら呼んで!迎えに行くから」
「そんなに、飲まないって///」
膨れた俺のこと、翔は笑った。
......ああ、俺ホントに、この笑い声...好きだな...
そう思いながら、屈託なく笑う彼の顔を見ていた。
「相葉~、行こうぜ///」
「おう!!」
飲み会は、病院から近いイタリアンのお店でやった。
個室ということもあってか、みんな溜まっていたうっ憤を晴らせとばかりに、
厳しい看護師や、気難しい患者さんのことなど、
愚痴ったりしてる///
個室だから、他の部屋の話も聞こえてこないけど...
もう少し、抑えようか...みんな...
楽しいお酒はすすみ、俺も結構飲んだ
まあ、翔に迎えに来てもらう程でもないけど。
途中、トイレに立った俺は、
見てはいけない現場を見てしまった。