第12章 新しいスタート
こうして、俺たちは桜咲く春。
それぞれが希望する学校に進学することが出来た。
俺の学校からは何人か同じ学部に入り、
顔見知りと言っても、知ってるって程度なので、
新しいスタートと言える。
ふたりの入学式が終わった週末。
俺と雅紀は、軽井沢にある家の別荘に来ていた。
雅紀が俺を絶つ!って宣言してからだから、
二人にとっては、久しぶりに...な夜になる。
......なんだか、少し緊張する(^^;
軽井沢までは新幹線で来た。
東京駅から1時間、あっという間に俺たちはスキー場にはまだ雪の残る軽井沢の地に降り立った。
「ちょっと寒いね」
雅紀は首を竦めた。
俺たちはタクシーを拾い、車で10分弱の別荘に到着した。俺自身別荘に来るのは数年ぶりだった。
「直ぐ暖かくするから、入って!」
「お邪魔しまぁ〜す...わあ、広いね〜♪」
「そうかな〜、普通じゃないかな?」
小さい頃、夏は避暑に、
冬はスキーに、と足繁く通った別荘だけど、
大きくなってからは、余り来なくなってしまった。修は両親や祖父母と来てたみたいだけど。
俺は、暖炉に火を着けた。
だんだんと部屋の温度が上がってきた。
風呂にお湯を張る準備をした俺が、リビングに戻ると、雅紀が、暖炉の前にしゃがんで手を翳していた。
その姿が、何だか可愛くて、
俺は、後ろから雅紀の背中に飛び付いた。
「わああぁ///」
ふたりは縺れてラグの上に転がった。
「もお〜///危ないよ〜..急に、なに..」
振り返った雅紀の唇を、自分ので塞いだ。
久しぶりの彼とのキスは、
さっき飲んだ、ミルクティーの味がした。