第12章 新しいスタート
お参りを済ませ、翔が2枚絵馬を買ってくれた。
『○○看護学校に合格しますように』
俺はそう書いた。
『○○大学医学部に合格しますように』
翔も、そう書いて、
二つ並べて絵馬を下げ、手を合わせた。
「学業成就の御守も買ってこうよ」
翔が俺の手を引いていく。
翔の手は冷たくて、俺は思わず、ぎゅっと握り返した。
赤い袋の『学業成就』を二つ買った。
よし!!これで、いける!!
神様にもよくお願いしたし...
今までの努力を、明日全部出してこよう!!
駅までの帰り道、偶然かずと智にバッタリ会った。
「久しぶり!!」
翔は嬉しそうに駆け寄った。
二人に会うのは、翔は本当に久しぶりだもんね。
「翔!!元気かよ~?」
「なんか、背が伸びたよね?」
何だか身長伸び悩んでた二人を、今はもう翔が見下ろすくらいになってた。
「うん、やっと170㎝超えたよ!」
「「い~な~」」
ハモった二人に翔は声を出して笑った。
聞けば、かずと智もお参りに来たそうで。
折角会ったんだから、一緒に昼飯でも...って話になって、駅の近くのファミレスに、俺と翔は先に行ってて、二人は後から合流するってことに。
「よくお願いしておいでよ!!」
「先に行ってるからね~」
俺たちは一旦そこで別れた。
「ふたり、ちっとも変わってないよね~...会えるなんて思ってなかったから、びっくりしたよ」
翔の嬉しそうな顔見てたら、俺も嬉しくなった。
「かずも、相変わらず可愛いし、智もますます綺麗になった感じだった...」
「そうかな?いつも会ってるから分かんないよ」
そう答えたけど、内心は、
...翔の方が可愛いし、ずっと綺麗だよ!
って、思っってた。
恥ずかしいから言わなかったけどね...