第11章 目指す道
翌日、駅前のスタバで雅紀と待ち合わせた。
「翔~!こっちこっち~」
奥の席で、雅紀が手を振っていた。
「早いね、雅紀...勉強してたの~?」
「うん、今週末模試があるから...」
...雅紀は、将来をどう考えてるんだろう?
俺は、雅紀にその疑問を聞く前に、自分の決心したことを話さなきゃ、って思った。
すると、雅紀が、
「昨日のおじいさんさ、助かってホントによかったよね~...俺なんか、おろおろしてただけなのに、流石翔だよね!
でさ。俺、思ったんだけどね!
翔さ、お医者さんになればいいよ!絶対向いてると思う!」
「雅紀...」
雅紀の言葉に、俺は驚いた。
「こんなこといって、気を悪くしたらごめんね!
でも、ほんと、そう思ったんだ!
冷静な判断力とか、行動力とか、そういうのって、生まれ持ったものが大きいって思うんだよね~。
その点翔はね..」
「雅紀!!!!」
俺はもう嬉しくて、気が付いたら、
スタバなのに、雅紀の手を、両手で握りしめていた。
「俺さ、医者になるわ!決めたんだ、昨日///」
「えっ?えっ...?」
雅紀は驚いて目を見開いて俺を見た。
「俺ね、決心したんだ。医者になるために、
誰かの役に立つ人になるために、一生懸命頑張るよ!!」
パチパチパチパチ...
気か付いたら、隣の席にいた二人連れの主婦らしき人たちが、俺に向かって拍手してくれていた。
...ヤバい...声、デカかった...つい(^^;
「頑張ってね...おばさんたち応援してるよ!」
「あっ、はい...」
行き掛かり上とはいえ、見ず知らずの人の激励までもらって、俺は、雅紀に将来を誓った。