第10章 大人の階段昇る
【 翔side 】
雅紀の緊張が、俺にもじわじわ伝染する...
何で雅紀が、そこまで緊張しているのか、
不思議に思っていた俺は、
この後、その訳を知ることになる。
「..雅紀...あのさ..俺...」
俺は、雅紀と愛し合いたいって思ってること、
でも、もしかしたら、途中で怖くなって雅紀を突き放してしまうかもしれないこと、
それでも、雅紀が大好きだから、
少しずつ先に進みたいって、そう思ってること...
だから、傷つかないでほしい...って...
前もって、そう伝えておこうかと、そんな、先にダメだった時の言い訳しとくのなんて、おかしいかもしれないけど。
でも、言っておきたかったんだ。
今の自分の気持ちを、正直に...
でも、そんな俺より先に、
「翔!あのさ、おれさ...今日はさ...」
『ゴクリッ..』盛大に、雅紀の喉が鳴る。
俺はじっと雅紀の目を見て、彼の次の言葉を待った。
「...今日はさ..その...翔と...
あっ、愛し合いたい...だから///」
「......だから?」
「翔が俺のこと、抱いて欲しいんだ!!」
......??何?...どういう...??
キョトンとする俺に、雅紀は、
「あ───っ!もう///だからぁ~...
えっと...翔が...そのぉ~...俺に...」
だんだん消え入りそうになる雅紀の声...
そして、耳まで真っ赤になりながら...
目を反らせて、
「...俺に、翔が...イレて...」
......??えっ?...それって...
驚いて何も言わない俺に、
雅紀は、ゆっくりと話し始めた。
今度はしっかりと俺の目を見て...